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インタビュー: 東京都産業労働局次長(産業労働局理事(国際金融都市推進担当)兼務)関口尚志氏

31 OCTOBER 2025インタビュー

インタビュー: 「世界をリードする国際金融都市・東京」の実現に向けた取組

 東京都産業労働局次長(理事(国際金融都市推進担当))の関口尚志氏に、「世界をリードする国際金融都市・東京」の実現に向けた幅広い活動について聞きました。

理事としてFinCity.Tokyoにどのような期待をお持ちですか?

FinCity.Tokyo(以後、FCT)には、東京が「世界をリードする国際金融都市」としてグローバルな舞台で存在感を示すための“推進力”の役割を大きく期待しています。
これまでも官民連携のハブとして、国内外の金融プレイヤーとのネットワークを広げ、東京の魅力を戦略的に発信していただいているところですが、今後さらにその取組を強化し、海外の投資家や金融系外国企業に対して、東京の優位性やビジネス環境の整備状況等をより積極的かつわかりやすく伝えていってほしいと考えています。

「世界をリードする国際金融都市・東京」の実現に向け、東京都として重視しているポイントは?

都ではFCTと連携し様々な取組を行っていますが、キーワードは「レジリエンス」、「グローバル」、「イノベーション」です。そして、これらの取組を世界に向けて戦略的に発信していくことが重要です。

まず「レジリエンス」ですが、都は、持続可能で強靭な社会の実現を金融面から支える「サステナブル・レジリエントファイナンス」のリーディングシティを目指しています。
2017年に自治体初の「東京グリーンボンド」を発行して以降、これまでに5,100億円のSDGs債を発行してきました。今年の10月には、新たに、資金の用途を都市の強靭化に特化した世界初の国際認証レジリエンスボンドとして、「TOKYOレジリエンスボンド」を海外市場で発行しました。
また、都の出資を呼び水とした官民連携ファンドの活用や、金融機関と連携した企業のサステナブル経営促進等にも取り組んでいます。

 次に「グローバル」です。
東京が国際金融都市としてのプレゼンスを更に高めるためには、世界から資金、人材、技術、情報を呼び込む必要があり、このためには様々な金融プレイヤーの集積が欠かせません。
東京でのビジネスにおいて障壁となっているのが「言語」と言われています。
都では、この「言語の壁」を取り払い、世界から資金や人材などが集まる、高度な金融エコシステムの創出を目指しています。FCTと連携して取り組んでいる企業の決算状況等の英文情報開示支援に加え、国と共同で運営する「東京開業ワンストップセンター」では、会社設立手続きをすべて英語で完了できる体制を整備しました。さらに「ビジネスコンシェルジュ東京」では、ビジネスから生活面にわたる多様な相談に英語で対応しており、9月末からは新たに、住民登録などの日常生活における各種手続を伴走型でサポートする「英語対応生活支援アドバイザー窓口」を設置しております。
これからも、高度外国人材やその家族に安心して東京に来ていただけるよう、グローバルスタンダードな環境の整備を進めてまいります。

3つ目は「イノベーション」です。
都は、金融分野におけるイノベーションの創出や金融の力を用いた持続可能な社会の実現に向け、これらに資する取組を表彰する「東京金融賞」を2018年から実施しており、これまでに46社を表彰してきました。
東京金融賞は、大手企業だけでなく、フィンテックをはじめとするスタートアップも多く受賞されており、受賞企業の中には、その後ユニコーン級に成長されたり、大口の投資を獲得して海外へ活動の拠点を広げられたりと、大きく飛躍されている事例もあります。
また、昨年度からは、都内のフィンテック企業のさらなる成長を支えるため、海外での販路開拓支援にも取り組んでいます。なかでも、海外の世界的なフィンテック展示会に都とフィンテック企業が共同で出展を行い、現地で投資家や協業先を見つけるためのネットワーキングを積極的に実施しています。今年度は、ドバイ、シンガポールのイベントで東京パビリオンを出展し、「国際金融都市・東京」発のユニークな金融アイディアをPRしました。
また、FCTと連携し、フィンテック企業や資産運用業者等の金融系外国企業の誘致や新興資産運用業者の育成にも取り組んでおり、これからも挑戦者を応援する都市として世界をリードしていきます。

東京は巨大な経済圏を形成し、世界トップクラスのFortune Global 500掲載企業の本社数を誇るほか、信頼性の高い交通ネットワークやミシュランも認める食と文化、清潔な街並みなど、ビジネスにも生活にも快適で便利な街です。
こうした東京の強みや投資環境、またこれまでご説明してきたような取組を海外の企業や投資家にわかりやすく届けるべく、HPやSNSによる情報発信に加え、都とFCTが連携して海外主要都市に赴きプロモーションを行っています。今後、海外に出向くだけでなく、影響力の大きい金融系の国際イベントの東京開催も進めていきたいと考えています。
引き続き、海外都市の行政機関や業界団体、キープレイヤーとのネットワークを開拓・強化し、現地での発信機会の獲得や、都やFCTが都内で開催するイベントへの海外からの参加促進等を通じ、東京のプレゼンス向上に繋げてまいります。

FinCity.Tokyoとの連携をどのように進めていきたいですか?

都にとってFCTは、民間の知見・ノウハウを活かし事業を推進する重要なパートナーであります。政策立案やプロモーション、企業誘致、人材育成など多方面で緊密に連携しながら、「国際金融都市・東京」の実現に向けた取組を進めてまいります。
海外主要都市でのプロモーション活動や国内の旗艦イベントの共同開催のほか、東京都とFCT双方が持つ国内外のステークホルダーとのネットワークを相互に活用し、企業・投資家・行政機関・業界団体などとのリレーション強化を進めることで、グローバルな金融エコシステムの構築と東京の競争力向上に繋げていきたいと考えています。

最後に、今後の意気込みをお聞かせください。

日経平均株価が史上最高値を更新し、対日直接投資も伸び続けていることからも分かるように、日本、東京には今、世界の注目が集まっています。
東京が世界トップレベルの金融都市と肩を並べるためには、官民が一体となって挑戦を続けることが不可欠です。FCTの理事として、民間の多様なプレイヤーの皆様の視点を取り入れながら、東京都の施策をより実効性の高いものにしていきたいと思います。これからもスピード感を持って、国際金融都市・東京の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

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