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インタビュー: 三井住友トラストグループ 執行役員兼GAMO 菱田賀夫氏

16 DECEMBER 2025インタビュー

FinCity.Tokyo理事の紹介インタビュー:
三井住友トラストグループ 執行役員兼GAMO(Global Asset  Management Officer)菱田賀夫氏

三井住友トラストグループの執行役員兼GAMO(Global Asset Management Officer)である菱田賀夫氏に、国際金融と投資に対する日本の魅力を強化する方法について聞きました。

新たに理事に就任されました。意気込みや今後のFinCity.Tokyoの活動に期待することを教えてください。

私は、およそ10年前に機構が生まれるきっかけとなった「資産運用等に関するワーキング・グループ」の議論に関わりました。これまでも主催イベントで登壇させて頂いた他、Emerging Manager Program(EMP:新興運用業者促進プログラム)懇談会のメンバーも務めるなど、機構の活動に様々な立場で携わってきましたので、FinCity.Tokyo(以後、FCT)には強い思いを持っています。私は、機構の役割を「ファイナンスや資産運用の領域で国内と海外を繋ぐ架け橋」になることだと思っています。そのために一層貢献していきたいと考えています。

この10年間で、東京や日本のマーケットはどう変化しましたか。日本の特徴は何でしょうか。

日本全体でも、業界としても様々な取り組みがされてきました。海外からの日本に対する興味や関心は非常に強いものがあり、東京あるいは日本への投資や資金の流れは今後も持続するものと見ています。上場企業が非上場化したり、プライベート・パブリック両方に投資のできるクロスオーバーファンドが生まれたりと、成長と投資の形が多様化しています。日本の市場には、製造業やサービス業など多くの業種・セクターが存在し、その分散が多岐にわたるのが特徴です。国内の運用会社は、バラエティに富んだセクターと日々向き合いながら確かなリターンを上げていくことが求められています。日本の市場の特性が運用力強化に繋がっていると、私は考えています。

日本の市場の課題は

日本が持つ魅力や強みの対外発信が未だ十分でないことが課題です。日本から海外に投資・進出する際のことを考えますと、何の予備知識もなくいきなり海外に渡る人は少ないと思います。まずは渡航前に情報を収集するのが普通で、身近にいる「その国、地域に詳しい人」に聞くのが最初のステップです。海外からの対日投資にも同じことが言えます。海外の投資家の身近に、日本の市場や産業を語ることのできる人たちがいるか否かが重要です。近年、訪日観光客数が飛躍的に伸びていますが、これは海外において「日本のファン」を増やす取り組みを長年にわたり行ってきたからだと思います。日本の製造業やサービス業はどんどん海外に出ています。翻って、資産運用・ファイナンス業界はどうかと言うと、まだ遅れている面があると思います。日本のマーケットの門戸を開くだけでなく、海外に出て、日本への関心を喚起する取り組みの強化が必要だと考えます。

シンガポールやドバイといった国際金融都市は、流れ込む資金の大半はまた外へ出て行きます。その流れの中でおカネに一定の付加価値を加えることができれば、経済として成り立つのですが、日本のように大きな経済規模ではそれでは成立しません。流れ込んできたおカネが一定程度しっかりと国内に留まり、投資に回って初めて経済全体の成長に繋がります。その意味で難易度は高く、戦略性が求められます、業界全体、また官民一体での取り組みが必須で、その一つの重要なハブになるのがFCTだと考えています。

企業の成長に長期的視点で寄り添う投資家を増やすにはどうしたらいいですか。

企業の立場からすると、起業当初のベンチャー時代と、上場してからで投資家が全く変わって継続性がないという悩みがあります。私が所属するグループでも提供しているクロスオーバーファンドなどが一つのソリューションですが、業界全体で取り組めることもあると思います。日本の各金融グループには、ベンチャーにファイナンスする会社や運用会社、資産管理会社など、実は様々な機能があるのですが、まだ縦割りの部分がありバリューチェーン全体を見据えた活用が出来ていないと感じます。私は、それぞれの機能や職種が自分たちの領域を少しずつ広げて、お互いに多少「重なる部分」が増えた方が、投資の各ステージに即したシームレスな支援を提供できると考えています。金融グループが既に持っている様々な機能、サービスを有機的に繋げることで「ワンストップのサービス」とする考え方です。

機関投資家の皆さんに「もっと早い段階からリスクを取れる」「上場が区切りでなく、その後も投資していきたい」と思ってもらうことが大切です。そのためにインベストメント・チェーンに関わるフルレンジのソリューションやプロダクトを提供することが、私どもの大きな使命と考えています。FCTとしても様々な橋渡しや重なりの機会を作っていくことができると考えています。

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