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国際金融都市として再び存在感を高める東京

世界有数の大都市である東京は、長年にわたり国際的な商業・金融の中心地としての役割を担ってきた。現在は、アジアで最もビジネスを展開しやすい拠点となることを目指し、レジリエンスと柔軟性をさらに高めている。

制作: ロイター・プラス

 


7月、時速505キロという世界最速記録を樹立する東京と名古屋を結ぶ鉄道路線の建設プロジェクトにおいて、大きな進展があったことが日本で発表された。これは、将来的に東京と大阪を結ぶ路線の第一段階にあたり、静岡県とJR東海が合意に達したことを受けて、同路線の最後の未着工区間の建設が開始される。この壮大なリニア中央新幹線プロジェクトは、長年の計画段階を経て、ようやく前進できることとなった。

その1カ月前、政府は17の戦略分野を対象に官民合わせて2兆3,000億ドルを投資する計画を打ち出し、その期間を2040年までとした。

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日本経済が前進しているという実感は、近年、日本銀行が数十年に及ぶデフレとの闘いを制したことで、さらに強まっている。訪日観光客数は力強く伸び、東京都の出生数も10年振りに増加に転じた。

こうした一連の要因が、より安定した事業環境を醸成しており、日本企業の成長可能性や海外投資家にとっての参入機会に改めて注目を集める契機となっている。円相場はドルに対して数十年来の安値水準にあり、エネルギーや食料の輸入コストを押し上げているが、その一方で、日本は海外投資家にとってより魅力的な投資先となっている。

企業改革や規制改革も、こうした可能性を引き出しやすくしている。東京都は、税制上の要件緩和や投資手続きの簡素化を通じて事業を行いやすい環境を整えるよう、国に働きかけてきた。例えば、今年導入された改革では、外国投資家に対する課税の特例の適用要件が緩和された。それにより、幅広い海外投資家が、配当、利子、不動産所得、キャピタルゲインなどの所得について、日本国内に課税上の恒久的施設(PE)があるとみなされることなく、国内投資ファンドを通じて日本に投資できるようになった[1]。


小池百合子東京都知事

東京都はまた、東京開業ワンストップセンターを開設し、東京に拠点を設ける海外投資家や資産運用会社などに対して英語による支援を提供している。

さらに都の行政当局は、FinCity.Tokyoと連携して新興運用業者促進プログラムを展開し、新興運用業者の育成に取り組んでいる。同プログラムは、資産運用会社と国内外の機関投資家をつなぐ役割を担うものである。

「投資家や資産運用会社には、規制対応や書類作成に時間を費やすのではなく、成長分野への投資と価値創造に注力していただきたい」と、小池百合子東京都知事は、7月中旬にニューヨークで開催されたFinCity.Tokyoのイベントで語った。そして、「東京を、アジアで最もビジネスを展開しやすい資産運用拠点にしたい」との考えも示した。

ニューヨークでのイベントには、金融機関、資産運用会社、ファミリーオフィス、AI関連企業から約170人の参加者が集まり、特に資産運用業界の観点から、金融拠点としての東京ならではの強みや可能性を巡って議論が交わされた。

これに続き、10月にはニューヨークで別のイベントが開催される予定である。このイベントでは、世界最大の年金基金であり、約1兆8,000億ドルの資産を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめ、さまざまな組織から講演者が登壇する。日本政府は、GPIFやその他の国内の年金基金に対し、国内資産への投資をさらに増やすよう促している。

レジリエンスを高める

小池知事が東京を資産運用分野の先進都市へと押し上げるための土台は、十分に整っている。すでに東京には、金融機関、大学・研究機関、テクノロジー企業、スタートアップが集積しており、これらを成長資金につなぐ成熟した投資エコシステムも形成されている。

人工知能(AI)、デジタルインフラ、グリーントランスフォーメーション(GX)、サステナブル・ファイナンスなどの分野でも、新たな投資機会が生まれている。

これらの分野は、小池知事が2016年8月の就任以来推進してきた政策とも親和性が高い。知事はこの間、環境・気候変動問題からスタートアップの現場に至る幅広い分野において、東京のレジリエンスと適応力の向上に取り組んできた。

「東京は、世界有数の都市経済、イノベーション、金融が、安全・安心かつ清潔な都市インフラの中で相互に結び付いている都市です」と、小池知事は語った。「私たちは、人材が集い、成長し、新たな挑戦を続けられる、持続可能でレジリエントな都市の形成を目指している」との考えも示した。


FinCity.Tokyo Global Forum: Leaders Session in New York 2026
FCTアンバサダーの Laurent Depus 氏によるOpening Remarks

東京が世界の関心を引き付ける力は、アジア最大のイノベーションカンファレンスであるSustainable High City Tech Tokyo(通称SusHi Tech Tokyo)の成功からも明らかだ。今年4月に開催されたイベントには、103の国・地域から800社近いスタートアップと6万人を超える人々が参加した。参加者には、580人のベンチャーキャピタリストや世界で活躍する投資家も含まれていた。

2024年5月、スタートアップ支援を目的として、都心の千代田区に開設されたTokyo Innovation Base(TIB)にも、国内外から45万人を超える人々がこれまでに訪れている。同施設では、起業家の挑戦を後押しするイベントが連日開催されている。

しかし、東京都が掲げる目標はさらに高い。宮坂学副知事は昨年、TIBで開催されたイベントで、「東京は、3つの『10倍』をゴールとして掲げ、その達成を目指します。すなわち、起業数、グローバル・ユニコーン企業数、官民協働の実践数を、それぞれ10倍にすることです」と述べ、東京都が2022年にスタートアップ戦略の一環として初めて打ち出した「10×10×10のイノベーションビジョン」を改めて強調した。

今年のSusHi Tech Tokyoでは、将来人々の日常生活に大きな変革をもたらすイノベーション分野として、AI、ロボティクス、レジリエンス、エンターテインメントに焦点が当てられた。しかし、東京のスタートアップ産業の裾野はさらに広く、ライフサイエンス、核融合、宇宙産業、アグリテックなど多岐にわたる。

StartupBlinkの最新版「グローバル・スタートアップ・エコシステム・インデックス」において、東京は過去最高となる世界13位に入り、ムンバイや、オースティン、シアトルといった米国の都市を上回った。

都の行政当局は、この動きをさらに後押ししたいと考えている。東京都は今年、官民連携のクロスオーバーファンドを通じて、スタートアップの新規株式公開(IPO)の前と後を支援する試みを開始し、有望な新興企業の企業価値向上を図る予定である。


東京をテーマにしたポスターが並ぶ展示台

こうした取り組みの多くを下支えしているのが、サステナビリティへの大規模な投資だ。東京は他の世界的な金融拠点と同様、気候変動によって激しさを増す熱波や洪水への対応を迫られる一方、AIデータセンターによる電力需要の急増や、世界貿易を脅かす地政学的リスクの高まりにも直面している。

かつて国の環境大臣を務めた小池知事は、この課題を重く受け止めている。「私は知事就任以来、環境、経済、金融を一体的に捉え、東京をより持続可能で災害に強い都市にするための包括的な取り組みを進めてきました」と、小池知事はニューヨークの聴衆に語った。
こうした取り組みにより、東京は以前よりもはるかに強固な立場にある。水害による被害額は半減し、住宅の耐震化も進んでいる。太陽光発電の導入も継続的に拡大しており、壁面や窓にも設置できる薄型・軽量で柔軟な「Airソーラー」もその一つである。こうした施策は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという東京都の目標達成を後押しする。

東京が金融の中心地として歩んできた歴史も、こうした取り組みの後押しとなっている。東京都は、国際認証を取得した世界初のレジリエンスボンドをすでに発行しており、今年度においては、総額6億3,000万ドルのTOKYOレジリエンスボンドを発行する予定だ。「私たちは、金融の力を活用して都市のレジリエンスと成長を支える枠組みを構築してきました」と、小池知事は語る。

人々の力

小池知事は、東京の中核的な強みとして、レジリエンスと柔軟性に加え、技術力、金融力、そして民主主義、法の支配、言論の自由という社会に深く根づいた原則を挙げた。一方で、「東京の活力を真に支えているのは、人々です」とも語った。

世界有数の巨大都市である東京にふさわしい言葉だ。国連によると、約3,300万人が暮らす東京大都市圏は、世界で3番目に大きな都市集積地である。

また、英国のZ/Yenが公表する「世界金融センター指数(GFCI)」によれば、東京は世界の主要金融センター上位10都市に入っている[2]。同指数では、銀行部門でシンガポールを、取引部門でロンドンと香港を、人材部門でドバイや上海などを上回り、いずれも世界上位5位に入っている。


FinCity.Tokyo Global Forum: Leaders Session in New York 2026
片平 聡 在NY総領事による乾杯挨拶

おそらくさらに重要なのは、GFCIが今後数年で重要性が高まると見込まれる世界の主要ビジネス拠点の上位15都市の一つとして、東京も挙げていることだ。

人材育成と海外企業・資本の誘致がともに進み、都市としてのレジリエンスが高まることで、東京は、世界の金融業界で活躍する人材が集い、成長し、新たな挑戦に踏み出せる都市になりつつある。

「世界は現在、不確実性の高まりに直面しています。だからこそ、レジリエンスと成長の可能性を兼ね備えた東京には、多くの可能性が広がっているのです」と、小池知事は語った。

東京が発展と成長を続ける中で直面する課題の一つは、少なくとも一部の人々にとって、東京に対する国際的な評判がまだ現状に追いついていないことだ。かつて東京は、税負担が重く、駐在員の子どもが通えるインターナショナルスクールが少ないうえ、言葉の壁が事業を進める上で最大の障害となる都市であると見られていた。しかし、インターナショナルスクールの新設が進み、税負担は軽減され、英語による支援も広がっている。

「東京は今、大きく様変わりしています」と、小池知事は語った。「私が知事に就任した10年前と比べ、東京でビジネスを行うことへのイメージは、大きく変わったのです。」

参考資料
1. https://www.dlapiper.com/en-gb/insights/publications/2026/03/taxation-of-foreign-investors-in-japan-through-japanese-investment-funds-and-the-fy2026-tax-reform
2. 世界金融センター指数 第39版

 


Produced for FinCity.Tokyo by Reuters Plus

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